将棋についての文章を前々から書けと急かされていたのだが、読者を限定させてしまうことを恐れ、書かずにいた。しかし当サイトを閉鎖する前に、一度は書くべき文章は早めに書いておこうと決めた。この文章は double crown さんに捧げるものである。 アメリカ映画なんかで、男性が野球に夢中になるのを女性が揶揄する場面がある。何年のどこの球団のどこのポジションが誰かって即座に言えるんだからと女性が嘆くと同時に、男二人がそれを嬉々として言い当てる場面があったのは「シティ・スリッカーズ」だったっけ。 ワタシは将棋ファンであるが、この人種にとっては順位戦を語るのがそれに近いかもしれない、と思ったのは、コンビニで週刊文春の先崎学の連載を立ち読みしたときである。 将棋を知らない方からすれば「順位戦? それ食えるのか?」という感じであろう。少し解説しておくと、プロ将棋界には上からA、B1、B2、C1、C2とい