『エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計』(以下DDD本と呼ぶ)の原著出版から十数年が経過した今、DDD本に書かれている内容は、吟味されアップデートされるべき時が来ている。このアップデートに盛り込みたい内容を、4つの原則という形で考えてみた。 なお、以下では「EvansのDDD本の内容」と「ドメイン駆動設計というコンセプト」は重なる部分があるにせよ、それぞれが指す対象は異なるものだとしている。この違いは本文中で触れるが、表記として「DDD本」は本を指し、「ドメイン駆動設計」はコンセプトの方を指すようにしている。 DDD本とドメイン駆動設計 DDD本では、ドメイン駆動設計というコンセプトが導入された。ドメイン駆動設計というコンセプトは、ソフトウェアエンジニアの一般教養といえるほど、今ではその価値が認められている。同様のアイデアは、EvansがDDD本を執筆した時代ですら、すでに先人たちが口に