●コロンビア大学の名誉教授ハーバード・パッシンは『文芸春秋』(1987年4月号)の中で次のようなことを述べていた。 「そもそもユダヤ人とは何か。ユダヤ人として生まれたことは必要条件でしかない。ユダヤ教を信奉してこそ、初めてユダヤ人だと認められる。私はユダヤ人の両親から生まれたが、自分をユダヤ人だとは思っていない。私はユダヤ教を信じない。安息日にも休まない。私はアメリカ人であるが、ユダヤ人ではない。……〈中略〉ユダヤ人がユダヤ人であるためには、何よりも“ユダヤ教徒”でなければならないのだ。」 イスラエルのユダヤ教徒たち ●イスラエル共和国を去ったユダヤ人女性ルティ・ジョスコビッツは、著書『私のなかの「ユダヤ人」』(三一書房)で素直な気持ちを述べている。 「イスラエルにいたとき、ターバンを巻いたインド人が畑を耕作しているのを見た。どこから見てもインド人で、インドの言葉、インドの服装、インドの文