【アガディール(モロッコ)=土佐茂生】捕鯨に関する新しいルール作りを目指していた国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会は、捕鯨国と反捕鯨国の協議が事実上決裂し、決着が先送りされることになった。1年間の冷却期間を置いて、仕切り直しする。 年次総会は23日、2日間の休会を終え、全体会合を再開した。リバプール副議長は冒頭、「重要な課題についてまだ多くの作業が必要だ」と発言。日本が南極海で行っている調査捕鯨などの扱いをめぐり、合意は困難との認識を示した。 休会中、非公式の協議が続けられた。だが、反捕鯨国が日本による調査捕鯨の最終的な廃止を譲らない一方で、日本側は縮小は認めても廃止は拒むという構図のまま、歩み寄れなかった。 日本の農林水産省の舟山康江政務官は、この日の全体会合で「科学に基づく議論を尊重するべきだ。世論が受け入れないからと言って、各国が持続性に問題のない捕鯨でさえ否定することに驚愕(