ご主人を介護中の80代女性が、物忘れのご相談で来院された。ADLは自立しているものの、最近物探しが増えて冷蔵庫管理が苦手になり、料理の段取りや味付けが怪しくなってきたとのことであった。 HDSRは12/30で遅延再生は1/6。保続を認め、頭部CTで海馬萎縮はあり。アルツハイマーの典型例という印象であった。 余白がたっぷりの画 当院では、初診時に透視立方体模写と時計描画テストをルーチンで行っている。 この方の時計描画テストの結果を以下に示す。中央に寄りすぎて、周辺が余白たっぷりとなってしまっている。 周囲へ目配りせず、まっすぐ前しか見ない運転をする。 目的の食材以外が目に入らず、冷蔵庫の中身が賞味期限切れで溢れていく。 捜し物のことだけ考え続け、周囲を見渡してその中から特定のものを捜そうということに注意が向かない。 これらは、認知症患者さんは勿論のこと、加齢に伴い多くの高齢者でみられることで