英空母「クイーン・エリザベス」甲板の英海軍F35B戦闘機の前に立つパイロット=神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地で2021年9月6日(代表撮影) 過刻、筆者は、滝野隆浩記者の筆になる記事<軍事情報からみた台湾問題の「逆説」>を踏まえて、日本の台湾情勢関与の論理と方針についての所見を募った。この募集には、五十数件の応答が寄せられた。少しばかり扱いの難しい論題であったとはいえ、それでも真摯(しんし)な所見を披露された読者各位には、謝意を表したい。 英仏独にも広がった「中国との確執」 2021年国際政治を振り返って最も留意に値するのは、日米豪各国が先行して経験していた中国との確執が英仏独各国を含む西欧諸国にも拡散したことにある。 英仏両国や欧州連合(EU)が独自の「インド・太平洋戦略」を策定したのは、中国を念頭に置いたものである。英国は、その論理の下、「クイーン・エリザベス」空母打撃群を極東に派