ブルーノートといえば、ジャズの名門レーベル。ではあるのだが、このところの同社はヒップホップやR&B(特にネオ・ソウル)等、非ジャズ系のブラック・ミュージックを愛するリスナーも大いに注目すべき一大拠点となっている。それを象徴するのが、ブルーノートに移籍して期待の新作『No Beginning No End』をリリースしたホセ・ジェイムズ。彼の盟友であり、先にブルーノート入りしていたロバート・グラスパーの存在とあわせて、ブルーノートを「R&Bやヒップホップとジャズが交わる地点」として再定義したと言っていいだろう。そんなホセ・ジェイムズを中心にした「ブルーノート×ブラック・ミュージック」論。ヒップホップ・ヘッズも、ディアンジェロ愛好家も、心して読むべし。 文/林 剛 ホセがジャズをベースにしたシンガーであることは疑いようがない。 ただ、ATCQやディガブル・プラネッツなどが好きでジャズを聴くよう