スイス中央部に位置する州都シュヴィーツ。人口わずか1万4000人の村では通常5年に1度、村の教会前広場に大掛かりな舞台が登場する。高い立体的な舞台の上で、架空の村イェド・シュヴィーツの住民たちが日いずる国の大君ヘソヌソデ(Hesonusode)の来訪を今か今かと待ち構える。(ここでいう「大君」は天皇を意味する)。イェド(Yeddo)は日本の江戸から取ったもの。架空のシュヴィーツだ。 冬のカーニバル(謝肉祭)の時期にあえて行われる野外劇ヤパネーゼンシュピール(Japanesenspiel)には、村人約200人が出演する。雪でも氷点下でも、天候を理由に中止されることはない。 爆竹の破裂音が夜の静寂を破ると、東洋的な音楽とともにヘソヌソデとその奥方がクラッシックなオープンカーでやってくる。2人に同行するのは、まるで歌舞伎役者のようなメークを施した護衛、その名も「カブキ」の7人衆だ。 本来なら20
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