日本水産が、マダコの完全養殖技術の構築に成功したと発表した。完全養殖の成功例は国内外合わせて数件しか報告されておらず、画期的な成果という。 日本水産は6月8日、これまで困難とされていたマダコの完全養殖技術の構築に成功したと発表した。マダコの養殖は、幼生が成長する前に死滅してしまうケースが多く、完全養殖の成功例は国内外合わせて数件しか報告されていなかった。 現在の魚介類市場では、タコ類は年間7~10万トンが流通。その全てが天然の漁獲物で、養殖物は市場に出回っていない。そのため、事業化に成功した場合は水産業の在り方を大きく変える可能性がある。 天然のマダコは、卵から孵化した幼生が海中を浮遊したのち、海底に定着してから成長を始める。しかし、養殖では飼育環境の整備が難しいため、着底する前に幼生の大半が死んでしまうという。 こうした課題を解決するため、日本水産の大分海洋研究センターは、(1)親ダコに
国土地理院が発行する紙地図の販売数が低迷している。販売を受託している日本地図センターによると、2016年度の売り上げは約47万枚で、記録のある1946年度以降で最少。最盛期だった81年度の約910万枚と比べると約20分の1だ。紙地図は生き残ることができるのか。 5月の連休中、長野県の北アルプスは大勢の登山者でにぎわっていた。しかし、上高地から涸沢(からさわ)まで約7時間をかけて歩いても、紙地図を見ていた登山者は民間の登山用地図「山と高原地図」を使っていた2人だけ。北穂高岳(3106メートル)に登っても、やはり地図を広げている登山者は一人もいなかった。 かつて、地理院の紙地図は登山者にとって必携だった。しかし、大学の山岳部やワンダーフォーゲル部など組織化された登山者は減っており、複数で紙地図を見る場面は珍しくなっている。さらに、スマートフォンの普及が紙地図の減少に追い打ちをかける。世界中の地
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