J1セカンドステージでの3本の芸術的なFKはいずれも日本代表GKから決めたものだった。軌道、球質、駆け引き。世界に誇る超一流のキッカーが明かす“極みの境地”とは。 「フリーキックはその日のコーナーキックやセットプレーからすでに始まっている」 禅問答のようなフレーズから、日本が誇る稀代のキッカーのFK談義は始まった。 J1セカンドステージだけで、すでに直接FK3ゴール。しかも、決めた相手はガンバ大阪の東口順昭、浦和の西川周作、仙台の六反勇治と、いずれもハリルホジッチ監督が選出した日本代表GKだ。J1通算FK20ゴールは歴代最多。レッジーナ、セルティック、エスパニョールでプレーした7年半を除いた数字なのだから、中村俊輔のフリーキックの精度と驚異がどれほど群を抜いているかは明らかだろう。 Number888号に掲載された「中村俊輔のサッカー覚書11 2015年版フリーキック論」では、今シーズン決