2月1日に放送開始から70年を迎えるテレビ。元フジテレビアナウンサーで、昭和47年の「あさま山荘事件」などを取材した露木茂さん(82)に、その歩みを顧みてもらった。 ◇ テレビ放送が始まったのは、僕が小学校を卒業して中学校に入る年でした。近所の電気店のショールームにテレビが画面にカバーをかけて飾ってあって、夕方になると電源を入れてくれるんです。通りかかった人や近所の人が集まり、うやうやしく鎮座するテレビ画面を大勢で見たのが、最初の出合いでした。 あまり語られないことですが、東京タワーができる前の東京には、3本の電波塔があったんですよ。日本テレビは千代田区二番町、NHKは同区紀尾井町、TBSは港区赤坂。3本の鉄塔を見ながら中学校に通ったのを覚えています。 衛星中継の衝撃僕がフジに入局した38年は、テレビも10年がたって最初のドタバタが少し落ち着き、チャンネルもそろい、テレビというメディアがち