八坂神社から山手へと道をとり、西行庵に向かう途中、ふと目に入る塔があります。祇園祭の山鉾を模した奇妙な形の塔で、三層からなり、突端まで約34メートルとう高閣です。 戊辰戦争のあと軍の御用商人となり、大倉組を起こして、のちの大倉財閥の基礎を確立した実業家・大倉喜八郎が、昭和3年に所有していた別荘内に建てたもの。現在は大雲院という浄土宗のお寺になっています。 本能寺で明智光秀に襲われて自刃後建勲神社に祀られた戦国の武将・織田信長と信忠親子をはじめ、東山で生涯を送った江戸末期の女流歌人・太田垣連月に育てられた文人画家の富岡鉄斎も祀られているそうです。 そのほか、「浜の真砂はつきるとも、世に盗人の種はつきまじ」の捨てぜりふで知られる大盗賊の石川五右衛門もこの塔の下で眠っているとか。 この閣上からの眺望は値千金。南禅寺の三門で大見得を切った五右衛門の魂魄も「絶景かな~」と賞嘆しているはずです
![祇園閣](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dc8121f39e7849fb422ef223a85a349983d62df2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.gion.or.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2015%2F10%2Fcda2f3324d2422e49d7caad76b82c77d-200x200.jpg)