アリのコロニー(集団)に2割程度いる働かない働きアリ(怠けアリ)の選別を繰り返して残った最後の個体は、働くよりも死を選ぶという研究結果を11日、千葉電波大学の研究チームが発表した。論文は英科学誌「フェノメノン」5月特大号に掲載される。 先行研究では、勤勉な働きアリだけでグループを作っても、必ず一定の割合で働かない怠けアリが現れることが明らかになっている。この怠けアリは、働きアリが疲れると、交代要因として働きはじめることも分かっており、グループ全体として労働を停滞させないため、このような怠け者を許容する仕組みを作り上げたと考えられている。 千葉電波大学の研究グループでは、アリ約8千匹から8割の働きアリを取り除いて怠けアリだけを抽出し、残った怠けアリの集団から仕方なく働き出したアリを1週間ごとに取り除く実験を行った。実験では6回目の抽出で怠けアリの最後の1匹が残ったが、この個体はその後も働こう