「日本で成功するわけがない」。今回のラグビーワールドカップ(W杯)は、そんな前評判を覆しつつある。チケット売上高は当初予想の1.5倍超の350億円に達し、総収入はラグビー発祥の地イングランドで開かれた前回大会を上回る見通しだ。だがここに至るまでには、様々な曲折と日本代表OBや関係する企業人ら裏方の奮闘があった。【前回記事】君が代も練習 多国籍代表の緻密なラグビー南ア戦勝利、もう一つの意味2015年9月19日、英ブライトンで行われた前回W杯予選の南アフリカ戦。優勝2回を誇る強豪を日本代表が破った「ブライトンの奇跡」には今回のW杯を左右する大きな意味があった。日本でのW杯開催は09年には内定していたが、実はこの時、その座が揺らいでいた。開幕戦と決勝戦を行う予定だった新国立競技場の建設費が3000億円を超えることが判明。世論の反発からデザイン公募がやり直され、W杯開催に間に合わないことが明らかに