本当の意味で音楽の作品 ――2015年にスタートした「響け!ユーフォニアム」シリーズですが、吹奏楽部をテーマにしたアニメ作品はそれまでなかったかと思います。 言われてみたら、たしかになかったなって思いますね。学生のみんなからの反響も大きくて、それがすごくうれしかったんですけど、演じているうえでは(絵を描くことで)顔を演じるアニメーターさんがいて、声を演じる私たちがいて、演奏を演じる洗足(学園音楽大学)のチームがいて、3セクションでひとりのキャラクターを作っていく感じがありました。だからアフレコしているときの物語の印象と、完成したフィルムの印象が全然違う作品なんですよね。「響け!ユーフォニアム」は。 ――音楽がつくことによって印象が変わるということですか? 基本的に作品の山場は演奏シーンになるので、私たちはその山場までの過程や、山場のあとの心情の変化などを声で表現している。どういう言い方がい