65頭の牛を襲ってきたヒグマ「OSO18」はどこにいるのか。捕獲の最前線に密着したNHKスペシャルを11/26(土)22:00から放送するのにあわせて、取材記録をお伝えします。 1. 前代未聞の被害 その全貌「前例にないです。まるっきり」。そう語るのは、道内随一のヒグマ捕獲のエキスパート集団、NPO法人南知床・ヒグマ情報センターの理事長・藤本靖さん。道東一円から集まる凄腕のハンターたちで構成するメンバーで、これまで300頭以上のヒグマを捕獲してきた実績がある。だが、OSO18と名付けられたヒグマは、そのどのケースにも当てはまらない異常さがあると語る。「何のために襲っているのかちょっと理解できないです」 すべての始まりは、2019年7月16日、標茶町オソツベツにある牧場でのことだった。朝4時、牧場主が餌を準備していたところ、牛たちが放牧地の手前側に固まって寄っていた。普段はそんなことはないた