漫画が並び、レトロなポスターなどが張られた「青虫」の館内 福島県最西端の只見町に約1万5千冊をそろえる貸本屋「昭和漫画館 青虫」がある。今や絶版の本も多く、その蔵書はNHKドラマ「ゲゲゲの女房」の撮影にも使われた。「読まれるのが本の仕事」。そんな思いを胸に横浜市から移住した高野行央さん(61)が趣味で集めた漫画で運営している。 JR只見駅から歩いて約10分。木造一部2階建ての白い建物の扉を開けると、レトロな映画ポスターやレコードが出迎えてくれる。スリッパに履き替えて中へ。天井まで届く本棚には、昭和30年代を中心に自慢の漫画が並ぶ。 開架式でこれほどの数を並べるのは全国でも珍しい、と高野さんは自負を持つ。元々は横浜市の自宅で保管していたが、場所に困って次第に段ボール箱に片付けるように。しかし、「それは本にとって死んだも同じ。読まれる命だった本から、『出してくれ』と絶えず声が聞こえてくる