2014-12-16 日本人は、「戦前の自分の先祖がどこにいたか」を思い返す必要がある 戦前の東京の風景は立派だ。今より美しく見えるくらいだ。 しかし、この威風堂々たる都市環境に暮らし、モダンな文化を最大限に享受したのは、当時の日本人のうちどれほどだっただろうか。 大正バブル全盛期の1920年代、日本人の人口は約6000万人だった。うち東京都民は450万人に満たなかった。神奈川県の人口は福島や新潟なんかよりもずっと低かった。首都圏と言うものは存在せず、東京の都心や横浜のごく一部にしか都会がなかったのである。当時の日本では都会は東京しかなかっただろう。日本全国と植民地からの富がそこに一極集中した。「都市」といえるものも、多くの県が県庁所在地くらいしかなかったはずだ。日本人の多くは農村や漁村で、江戸時代同然に暮らしていたのだ。多分1960年代ごろまでそうだったに違いない。一部の離島やたとえば沖