【北京=矢板明夫】金融危機の影響で中国の大学卒業生の就職難が深刻化するなか、軍が今夏、就職支援と称してこれまでで最大規模の12万人の大卒者を受け入れることを決定した。軍機関紙「解放軍報」などが伝えた。 中国メディアによると、今夏には約610万人の大学生が卒業するが、その3分の1にあたる約200万人が就職できない可能性もある。このほか、職を探し続けている既卒者も数十万人いるといわれる。 こうした状況を受け、軍は今年、大卒者の入隊の定員枠を拡大するとともに、年齢制限も23歳から24歳に引き上げることを決めた。入隊時には、1人につき2万4000元(約34万円)の補助金も支給するという。 軍が今回、大卒者を積極的に受け入れようとしているのは、社会不安の要素となる可能性が高い大卒失業者を減らすとともに、就職難を機に優秀な人材を獲得する狙いがありそうだ。 これまで軍は高卒者を一般兵士、大卒者を主に幹部