石原慎太郎さんのあきれかえった様子が目に浮かぶようだ。きのうの「日本よ」で、取り上げられていたNHKの番組『“ひとり”が怖い』には、小欄もびっくりした。 ▼1人で食堂にいると、「友達がいないさびしいやつ」と思われるから、トイレで食事をするという大学生を取材していた。一方で携帯電話に、1000人近い友人を登録している例も珍しくないという。 ▼「ひとり」でいるからこそ、新しい出会いが生まれる。もちろん孤独に耐え、見知らぬ人との軋轢(あつれき)で傷つく日々もあるかもしれない。ならば今の人間関係を維持した方がいい、ということか。そういえば、海外に長期留学する学生も減少傾向が目立っている。 ▼もっとも「安心、安全、安定志向」なのは、若者に限らない。日本人全体の欠点だと、これまでも指摘されてきた。最近では、前サッカー日本代表監督のイビチャ・オシムさんの批判が耳に痛い。「リスクを負わない者は勝利を手にす