「正直、私は虐待だと思っていません。彼は子供が憎くてやったわけではない。それなのに、私は彼を犯罪者にしてしまった」 川崎市高津区の無職女性(38)はあの日以来、どこにもぶつけられない気持ちを抱えて生きていた。 8月16日夜。アパート1階の女性宅で、女性と市立小1年の双子の長男(6)、次男(6)、42歳の土木作業員の男性が4人で食卓を囲んでいた。男性は1年ほど前に携帯電話の「出会い系サイト」で知り合い、静岡県三島市から月に1度、女性宅を訪ねていた。 食事中、子供たちがふざけて、言うことを聞かないことがあった。男性はプラスチック製の結束バンドで2人の両手と体、両足首をそれぞれ縛り、体操座りをさせた。バンドは体に食い込んだ。 近所の住民が「あまりにひどい泣き方をしている。児童虐待ではないか」と110番通報した。暴行の現行犯で逮捕された男性は調べに対しこう供述した。 「母親の言いつけを守らないため