昨今、カーボンニュートラルや脱化石燃料が取り沙汰される世の中となっているが、かつて国内自給率100%を誇る化石燃料があったことをご存知だろうか。 忘れられたエネルギー、亜炭 亜炭(あたん)は岐阜県や宮城県で産出された純度が低い石炭で、学術的には褐炭と呼ばれるものの一部に当たる。 亜炭は不純物や水分が多く着火性が悪い、得られる熱量が少ないなどの理由で高熱を必要とする工業には向かなかったが、燃料事情が悪化した戦中から戦後しばらくの間、家庭用燃料などで大いに活用された。ところが、現在日本では燃料としてまったく利用されていないばかりか、その存在すら忘れられている。先述の欠点が仇となり、エネルギー革命を乗り切れなかったのである。木炭以上褐炭石炭未満という立ち位置の「忘れられたエネルギー」を辿っていく。 平子亜炭炭鉱 さて、ここ滋賀県でも亜炭の炭鉱は見られた。滋賀県の地質としては200万年前まで琵琶湖
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