第44回 世界中の思想を吟味してつくられた日本思想 東京財団前会長 日下 公人氏 2006年11月16日 日本人の常識やセンス、心得、教えには、神道+道教+仏教+儒教+景教と、様々な要素が入っている。さらに明治維新以後は、アカデミズム崇拝の考えも入ってきた。 そして戦後は「国連教」とでもいうべきか、国際社会のすることに日本は逆らわずについていかなければいけないという考え方も入ってきた。それらを全部合わせた民間信仰が出来上がっている。 こうした民間信仰は普通の日本人の共通の常識であり、共通のセンスであって、「宗教」と呼ぶべきかどうかはまた問題がある。 しかし、いずれにしても日本人はそういう考え方を持っていて、それは新宗教と言ってもいいくらい、世界でも他に類のないものだ。それは、日本が発明した最も普遍的な世界思想だともいえる。 なぜ普遍的かというと、そこには世界中の思想が材料