情報やデータは多ければ多いほど良い、というものではありません。過剰な情報は適切な判断の邪魔となるほか、必要以上のエネルギーを費やしてしまうことさえあります。 アナリストの仕事は、他の多くのビジネスと同じように、膨大なデータや目まぐるしい変化との格闘です。毎瞬間繰り出され、しかも24時間全世界で生み出される情報に反応してしまうのが株価です。このため、情報の重要性を峻別する能力と洞察力が求められます。 このような情報処理上の瞬発力が求められる一方で、ゆっくりと、しかし確実に忍び寄る構造変化も感じ取る力が必要とされます。その意味でアナリスト業務は、情報と戦う他の多くのビジネスの縮図のような性格があると思います。(「プロローグ 『しあわせ』を考えるアナリストは成功する」より) こう主張する『超一流アナリストの技法』(野﨑浩成著、日本実業出版社)の著者は、もともとアナリストとして得た知識や経験、調査