萌えミリタリーは架空戦記の失速から始まった ──今回は「ハイスクール・フリート(以下、はいふり)」の魅力を、先行する同じ“萌えミリタリー”作品の「ガールズ&パンツァー(以下、ガルパン)」と重ね合わせることで掘り下げていけたらと考えています。戦車と艦船という違いはあれど、アニメファンの間では共に語られることも多い2タイトルかと思うのですが、両作に深く携わられている鈴木さんはどう感じられますか。 「ガルパン」と「はいふり」では、立ち位置こそ似ていますが、向いている方向がけっこう違うんじゃないでしょうか。今の「ガルパン」はキャラクターのディテールも成熟していますし、考証の人間も増えて、スタッフさんも本当に細かいところにまでこだわって作っています。でも、そのぶん今から入るにはハードルが高いと感じる人もいると思うんです。一方で「はいふり」は、今回の劇場版でもとにかく“初心者が入りやすいこと”を第一に