ブックマーク / pulp-literature.hatenablog.com (3)

  • マウリツィオ・ルチーディ『復讐の用心棒』(1967/伊) - 海外文学読書録

    復讐の用心棒 (字幕版) ロバート・ウッド Amazon ★★★ ヒューストンにメキシコ人のペコス(ロバート・ウッド)が流れ着く。ペコスは凄腕のガンマンだった。一方、町には無法者のクライン(ノーマン・クラーク)が部下たちを引き連れそこら中を荒らし回っている。クラインはこの町に運び込まれた8万ドルを探していた。ペコスが無法者たちを次々と仕留めていく。 マカロニ・ウェスタン。惜しみなく銃を撃ちまくり、敵も味方もバンバン死んでいく。暴力性の高さが娯楽度の高さに比例していて感心した。 冒頭のシーンが白眉で、以降はさほど見所がなかった。冒頭はあり得ないくらい格好いい。「ペコスという男に気をつけろ」という主題歌にはずっこけるが、あの一対一のやりとりは西部劇ならではのダンディズムがある。結局、男の世界は取るか取られるかなのだ。男が別の男と出会ったら途端に緊張が走る。サドの著作を読めば分かる通り、個人主義

    マウリツィオ・ルチーディ『復讐の用心棒』(1967/伊) - 海外文学読書録
  • リュドミラ・ウリツカヤ『緑の天幕』(2010) - 海外文学読書録

    緑の天幕 (新潮クレスト・ブックス) 作者:リュドミラ・ウリツカヤ 新潮社 Amazon ★★★ スターリンの死からソ連崩壊まで。イリア、ミーハ、サーニャの3人は幼馴染で、長じてからは反体制運動に身を投じることになった。また、オーリャ、ガーリャ、タマーラの3人も彼らの人生に関わっていく。ソヴィエト政府は反体制派に目を光らせ、次々とラーゲリに送っていくのだった。 「僕たちは文学を学んでいるんです!」先生はよく、まるで新しいニュースを知らせるかのようにそう宣言した。「文学は人類が持つ最良の宝です。そして詩は文学の核心で、世界と人類の中にある最良のものすべてが凝縮されています。それは、魂にとって唯一の糧です。みなさんが人として成長できるのか、それとも動物のレベルに留まるのかはみなさん次第なんです」(p.48) 作は長編の構成をとりながらも、途中から連作短編集のようなエピソード集になっていて、細

    リュドミラ・ウリツカヤ『緑の天幕』(2010) - 海外文学読書録
  • エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ『最強のふたり』(2011/仏) - 海外文学読書録

    最強のふたり (字幕版) フランソワ・クリュゼ Amazon ★★★★ パリ。富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は全身麻痺で24時間の介護を必要としていた。そんな彼の元に黒人のドリス(オマール・シー)が面接にやってくる。ところが、ドリスは就労する気はさらさらなく、失業保険を受給するためのアリバイ作りに来たのだった。フィリップはそんな彼を気に入り雇うことにする。 たまに鼻につくところがあったが、ちょっと変わったバディものとして十分楽しめた。黒人と障害者という個性的な組み合わせがいい。作は2人のキャラクターが魅力的で、彼らの輪郭がはっきりしたところでぐいっと引き込まれた。 結局のところ、僕は男同士の友情が好きなのである。それも身分違いの男同士。最近見た映画だと、『グリーンブック』が典型例だ。富豪かつ白人のフィリップと貧困層かつ黒人のドリスは住む世界が違うから、来だったら出会うこともな

    エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ『最強のふたり』(2011/仏) - 海外文学読書録
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