副題は「ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラント)」主義、1925~1965年」。副題を聞いてますます本の内容がわからなくなったという人もいるかもしれません。また、副題からものすごく小さな問題を論じているという印象を受ける人もいるかもしれません。 しかし、実はこの本、ヨーロッパの統合史に一つの補助線を引き、現在のEUを考える上でも重要な知見を教えてくれる本なのです。 目次は以下の通り。 序 章 第1章 キリスト教民主主義の国際ネットワークとヨーロッパ統合 第2章 第一次世界大戦後の「西洋」概念の政治化―雑誌『アーベントラント』とヘルマン・プラッツを中心に 第3章 「アーベントラント」とナチズム 第4章 第二次世界大戦後のアーベントラント運動 アーベントラント(Abendland)は日本語では「西洋」と訳されることが多い言葉で、第一次世界大戦後に書かれたシュペングラーの有名な
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