バイクに乗れば速く走れる。バイクを使えば遠くまで行ける。バイクの魅力としてまず浮かぶ事柄だが、女子高生がホンダのスーパーカブに乗るようになるトネ・コーケン『スーパーカブ』や、ヤマハのスクーターで女子高生がキャンプに向かうあfろ『ゆるキャン△』を読むと、そうした便利さに加えて誰かとの、あるいは何かとの繋がりをもたらしてくれる存在として、バイクの魅力が漂ってくる。 父親を亡くし母親に逃げられ、アパートで一人暮らしをしていた小熊という高校2年生の少女が、自転車で高校に向かう途中で1台の原付スクーターに追い抜かれたことで、バイクという存在に興味を抱く。「あの原付という物があれば何かが変わるのかな?」。そう思った小熊は、奨学金をやりくりして貯めたお金で激安のスーパーカブを購入する。『スーパーカブ』という物語の始まりだ。 カブに乗るようになったことで通学は楽になった。昨日よりも過ごす時間は幸せになり、