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ブックマーク / jp.ign.com (9)

  • 『すずめの戸締まり』から考える、作品と地方と聖地巡礼ビジネス

    新海誠監督作『すずめの戸締まり』のBlu-ray&DVDが2023年9月20日に発売。これにあわせ、同日より全国100館にて映画編を上映する「おかえり上映」が開催される。『ほしのこえ』や『秒速5センチメートル』など彼の持つフェティシズム含めて共感を持って観ていた僕にとって、『すずめの戸締まり』は「随分毒も薬も抜けてしまったなぁ」といった感想だった。『言の葉の庭』はある意味彼が色々と発散した作品としては頂点だったかもしれない。 そんな『すずめの戸締まり』は宮崎、熊、大分、愛媛、兵庫、岡山、東京、栃木、宮城、岩手と1都9県にわたる舞台が採用された。震災を止めるための「戸締まり」をするために半ば全国縦断をさせられた鈴芽の姿やロードムービーの作風になぞらえて、全国47都道府県の地元企業47社が参加したコラボ企画「日の戸締まりプロジェクト」というものまで行われた。 さて、新海誠の作品群なんかは

    『すずめの戸締まり』から考える、作品と地方と聖地巡礼ビジネス
  • 広島でアニメ『平家物語』のトークイベントが開催 山田尚子(監督)×吉田玲子(脚本)×久保友孝(美術監督)が作品の魅力を語る

    平家に縁の深い広島で、サイエンスSARUが制作した劇場アニメ『犬王』とテレビアニメ『平家物語』が上映された。8月17日から21日まで開かれたひろしまアニメーションシーズン2022のプログラムで、21日の『平家物語』の上映には、監督の山田尚子、脚の吉田玲子、美術監督の久保友孝が登壇して、『平家物語』をアニメで描くにあたって難しかったことや、版画のような独特な背景美術が生まれた経緯などを話した。 ひろしまアニメーションシーズン2022会場。 広島国際アニメーションフェスティバルが2020年で終了し、広島市が新しく立ち上げた「ひろしま国際平和文化祭」の中で、メディア芸術を扱うイベントとして企画されたのがひろしまアニメーションシーズン2022。世界から募ったアニメーション作品を表彰するコンペティションに加え、環太平洋・アジアで優れた業績を残した個人や団体、組織を表彰するゴールデン・カープスターを

    広島でアニメ『平家物語』のトークイベントが開催 山田尚子(監督)×吉田玲子(脚本)×久保友孝(美術監督)が作品の魅力を語る
  • 【2020年アニメ映画回顧】コロナ禍で「鬼滅」に話題が全集中、青春アニメも続々登場

    音楽でも演劇でも映画でも、人を集めて見せる興行といったビジネスが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックで大ダメージを受けた2020年。アニメーション映画も同様に、苦境に陥るだろうと思っていたところに差し込んだ一筋の光明が、みるみる輝きを増して世界を包み込んだ。そんなイメージすら浮かぶ年だった。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒットを軸にした“鬼滅ブーム”のおかげだ。 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、幾つもの驚きを与えてくれた映画だった。「だった」と過去形にするのはまだ早く、これからも多くの驚きを与えてくれるだろう作品でもある。最も気になるのが、日映画興行収入で史上最高だった宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(2000年)を抜き去って、どこまで記録を伸ばすか、といったところだろう。 コロナ禍で海外映画の公開が相次いで延期となり、すっぽり空いた劇場を支えようとスタジオジブリが、『千

    【2020年アニメ映画回顧】コロナ禍で「鬼滅」に話題が全集中、青春アニメも続々登場
  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』レビュー かつて監督自身が引き起こした巨大な「インパクト」にケリをつけた作品

    筆者は、『新世紀エヴァンゲリオン』にハマった世代だ。だから、ニュートラルに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を評価することはできない。主観的な印象としては、10点満点中で350万点ぐらいの作品なのだが、『新劇場版』から入り、『破』が一番好きだという観客にとっては意味不明で3点ぐらいの作品なのではないかと危惧もしている。 だから、レビューは、いわゆるニュートラルで客観的なレビューではないかもしれない。かつて、『新世紀エヴァンゲリオン』にハマり、人生の道すら踏み外してしまったかもしれない一人の人間として、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に向き合って絞り出した感想のようなものだ。 ネタバレを遠慮なく行ってしまうので、未見の方がレビューを読むことは推奨しない。まずは自分の眼で見に行くことを強くオススメする。 世界を終わらせる物語ではなく、生命を育もうとする物語を描く 初見の印象は、大満足で、期待

    『シン・エヴァンゲリオン劇場版』レビュー かつて監督自身が引き起こした巨大な「インパクト」にケリをつけた作品
  • 「この世界の片隅に」の片渕監督などが、学生アニメーション作品を厳しく優しく講評、YOUNG POWER 2018にて

    話題のテレビアニメーション「ポプテピピック」に、芸大などで学んだアニメーション作家が多く参加しているのは一部に知られた話。商業アニメとは違った雰囲気の絵柄や、コマ撮りのような技法で見る人を驚かせている。東京アニメアワードフェスティバル2018(TAAF2018)では、そんなアニメーション作家を目指している学生の作品を上映し、プロのアニメーション監督が講評する「YOUNG POWER 2018」を2018年3月12日に開催。各校から選りすぐられた5作品が今後に役立つアドバイスを受けた。 「ふわふわの死」 水間友貴 多摩美術大学 (C) ギブミ〜トモタカ 「どうして犬となのか」。TAAF2018でコンペティション部門長編審査員を務めるために来日し、自身も「手を失くした少女」などの作品を持つセバスチャン・ローデンバック監督から発せられたのは、作品の根を問う言葉だった。相手は多摩美術大学から「

    「この世界の片隅に」の片渕監督などが、学生アニメーション作品を厳しく優しく講評、YOUNG POWER 2018にて
  • TAAF2019高畑勲追悼企画で『かぐや姫の物語』上映 西村義明プロデューサーが明かす高畑勲監督との付き合い方や映画完成への秘策

    『セロ弾きのゴーシュ』、『平成狸合戦ぽんぽこ』といったアニメーション作品を残し、2018年4月5日に死去した高畑勲監督の業績を偲び、2019年3月9日から3月11日まで開催の東京アニメアワードフェスティバル2019で「高畑追悼企画」が実施された。その4プログラム目となる高畑勲追悼企画4―高畑勲が向かおうとしたところ―「かぐや姫の物語」では、スタジオジブリで『かぐや姫の物語』のプロデューサーを務めた西村義明、高畑監督と親交のある東京藝術大学特任准教授のイラン・グェンが登壇し、なかなか完成させられなかった『かぐや姫の物語』を西村プロデューサーが完成へと持って行けた秘密や、議論好きで好奇心旺盛な高畑監督との付き合い方などが話された。 企画開始から8年。その間、幾人もの担当が付きながら制作を進められなかった『かぐや姫の物語』を任され、2013年11月の公開へと持っていったのが西村義明プロデューサー

    TAAF2019高畑勲追悼企画で『かぐや姫の物語』上映 西村義明プロデューサーが明かす高畑勲監督との付き合い方や映画完成への秘策
  • 中華娯楽週報 第38回:“BL同人誌”で懲役10年!中国の性表現規制(前編)

    こんにちは!「香港ガリ勉眼鏡っ娘ゲーマー」こと歐陽です。中国・香港・台湾を含む中華圏のゲーム映画、アニメなどの情報を発信し、社会事情を分析するコラム「中華娯楽週報」。12月に入ってから、3回連続で営業許可の審査が“凍結”され、表現規制もより一層厳しくなっている中国ゲーム業界の現状を系統的に整理し、詳しい分析を行った(前編、中編、後編)。その特集では、ゲームには限らない文化産業全体への管理の強化が最近の中国で見られ、ゲーム産業が逆風を受けているのはそうした背景もあると分析したが、その一環としてボーイズラブ(BL同人誌を制作・販売したことでサークルの関係者らが逮捕され、懲役10年の判決が言い渡された事件にも言及した。今回は「性特集」の前編として、中国での「性」に対する規制を検証し、次の後編では中華圏のLGBTを含めた性の問題を紹介する。 何度も繰り返される“BL事件” 10月31日、男性

    中華娯楽週報 第38回:“BL同人誌”で懲役10年!中国の性表現規制(前編)
  • 均質なものから混ざり合うものへ アヌシー2018コンペティション長編部門レポート

    2018年6月11日から17日、フランス・アヌシーにて第42回アヌシー国際アニメーション映画祭が開催された。稿では映画祭のメインであるコンペティションのなかから、長編部門についてレポートする。 1960年に第1回が開催されたアヌシーは、現在でも継続しているものとしては世界最古のアニメーション専門映画祭で、規模も世界最大を誇る。アニメーション映画祭は当初、市場とは別の基準に基づいたアニメーション評価を打ち立てる目的を持っていた。つまり、世界のアニメーション映画祭シーン全体が商業性より芸術性を重視するという傾向にあったのだ。そんななか、違う方向へといち早く舵を切ったのもアヌシーだった。世界的な長編作品の製作数の増加を背景に長編部門を開始し(当初アニメーション映画祭のコンペティションは短編部門だけだった)、(現在MIFAと呼ばれる)見市を設立するなど、商業性にも重きをおくようになった。 現

    均質なものから混ざり合うものへ アヌシー2018コンペティション長編部門レポート
  • 任天堂の宮本茂氏、VRへの懸念を明らかにする

    任天堂のクリエイティブフェロー・宮茂氏がVR(バーチャル・リアリティ)を語り、いくつかの問題が解決された一方で、依然として懸念が残ると話した。 「VRを使ってオンラインに一緒にいるという意味では、多くの問題が解決されたか、解決されかかっていると思います」と宮氏はTIMEのインタビューで話している。「これは我々が調査していることでもあります」 任天堂の最も有名なフランチャイズを生み出してきた宮氏だが、それでもVRに関しては懸念が残っているという。「VRをプレイしている人を見ると、心配になります。例えば、親は子供がVRをプレイしている姿を見たら、おそらく心配になると思いますが、それと同じように」と宮氏は説明している。 また、宮氏はVRを開発する際の「問題とチャレンジ」として、「いかにして短く、しかし完全に作り込まれた体験を作るのか」という点を挙げている。 一方、任天堂の君島社長は日経

    任天堂の宮本茂氏、VRへの懸念を明らかにする
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