女性学のパイオニアである東京大学名誉教授の上野千鶴子さんと、大学時代にキャバクラ嬢やAV女優を経験し、東京大学大学院修了後に日本経済新聞社勤務を経て、作家として活動する気鋭の批評家・鈴木涼美さんの往復書簡をまとめた本、『往復書簡 限界から始まる』が話題だ。 出版後、TwitterなどのSNSでは「考えさせられた」「思い当たる節がある」など男女問わず、様々な声が溢れた。 男性に消費される職業をあえて経験しフェミニズムを客観視する鈴木さんと、フェミニズムの最前線を走り続ける上野さん。対話を経て、鈴木さんが感じたこれからのフェミニズムとは。 尊敬もされたいし愛されもしたい世代 ――鈴木さんの手紙のなかの「『可愛がられて尊敬される』ために私には、高い学歴とAV女優の肩書きが必要でした」という一節が印象的でした。このような発想は上野さんの時代にはなかったように思います。 鈴木:会社員をしていた頃、ま
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