まさに「継続は力なり」である。サントリーのビール事業が1963年の参入以来、2008年に初めての黒字化を達成した。 「非上場企業だから続けられた」と言えばそれまでだが、それにしても、よく今まで撤退しなかったものだ。初志を貫いて事業を継続すれば、いつかは実を結ぶ。その格好のモデルケースとなるのだろう。 ビール事業だけではない。やはり利益を挙げてきたわけではないが、サントリーが決して撤退しようとしない事業がある。美術や音楽など芸術文化を支援する「文化事業」だ。いわゆるメセナ活動である。 もともとサントリーは、社会との結びつきを非常に強く意識している会社だ。創業社長の鳥井信治郎氏は「やってみなはれ」という言葉で有名だが、鳥井氏の経営哲学を語るうえで欠かせない言葉がもう1つある。それは「利益三分主義」という言葉だ。 企業は社会の一員であり、社会とともにある。だから事業で得た利益は会社や株主、社員の