東京電力福島第1原発1号機で、地震発生から16時間後の3月12日早朝にはメルトダウン(炉心溶融)が起きていた可能性が強まった。東電の解析では、燃料溶融は予想以上の速度で進行。弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には燃料がすべて溶融していたことになり、今後、ベントの決断や外部からの注水のタイミングが適切だったかが改めて問われる。専門家は溶融した燃料が格納容器を損傷している可能性も指摘する。 小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「電源喪失で原子炉が冷やせなくなれば、早い時期に炉心溶融に至ることは想定できていたはずなのに、公表が遅い」と指摘する。 東電は今回の解析で「圧力容器の損傷は大規模ではない」と推定しているが、小出助教は「圧力容器は完全に破損し、溶け落ちた燃料が格納容器の底に穴を開け、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっている」と推定する。「東電はこうしたデータ