2010年6月29日 (火) 緻密に設計された音の迷宮の旅へ エガーによる平均律第2巻の登場 リチャード・エガー、チェンバロ奏者としての久々の新譜は平均律クラヴィーア曲集第2巻。a’=415と比較的高めのピッチで、高音は輝かしく、中音域も一音一音くっきりと響き、そして低音はズシンと響く、それでいて全体の音色はふんわりと柔らかい名器を用いての演奏。どの曲もゆったりめのテンポ設定で、エガーの大きな息の音楽作りと、抜群のリズム感がよく活きています。バッハによる緻密な音の迷宮の細部に施された装飾までくっきりと浮かび上がらせながらも、心地よい推進力に満ちた演奏です。あたたかみのある録音も魅力。(キングインターナショナル) 【収録情報】 ・J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(全24曲) リチャード・エガー(チェンバロ/Joel Katzman, Amsterdam, 1991、1638年リュ