全国に先駆けてテレワークの取り組みを始めた佐賀県庁だったが、多くの職員が利用を敬遠するという状況に陥っていた。そうした中、民間企業から佐賀県CIOに就任した森本登志男氏を中心に、本格的なテレワーク推進プロジェクトが立ち上がった。今では約4000人の全職員が利用するまでに至ったこの大変革の軌跡を追う。 大寒波で発揮したテレワークの“真価” 「鉄道が相次ぎ運休!」「各地で水道管が凍結、破損!」「市民生活は大混乱!」 2016年1月に西日本を襲った記録的な大寒波は、九州北西部の佐賀県にも大きな爪痕を残した。同月24日、佐賀県佐賀市では35年ぶりの気温0度を下回る真冬日に見舞われ、市内中心部では最大7センチメートルの積雪を観測した。鉄道をはじめ公共交通機関の多くがストップし、翌日の月曜日にはほとんどの小中高校が休校を決めるなど、混乱は実に広範に及んだ。 その日の佐賀県庁――。オフィスを見渡すと、職