昭和史を陰で動かした男 忘れられたアジテーター・五百木飄亭 (新潮選書) 著者:松本 健一 出版社:新潮社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 昭和史を陰で動かした男―忘れられたアジテーター・五百木飄亭 [著]松本健一 「乏しきを分(わか)ちつくして除夜の鐘」。作者の五百木飄亭は、「文学に於(お)ける一種の天才あり」と正岡子規が評した、子規の俳句仲間であり、ベースボールの友であった。飄亭が日清戦争に召集され、戦地から「従軍日記」を新聞に連載した。この名文にそそられて、子規は従軍記者を志望する。子規が心を許した友でありながら、司馬遼太郎の『坂の上の雲』には、名前さえ出てこない。なぜだろうか。 著者はこの謎を解明すべく、飄亭という人物の生涯を追う。五百木飄亭の名は、俳界では知られていたが、詳細な伝記は無かった。本書は初めての、飄亭伝である。 文学を離れて政客(せいかく)とつきあうようになった飄