イスラーム勢力からイベリア半島を取り戻し、アラゴン・カタルーニャで今なお国民的人気を誇るヒーロー、征服王ジャウメ1世(1208〜1276)の年代記。王自身の筆になるこの書物は、カタルーニャ語文学の嚆矢であり、合戦や謀略の生き生きとした描写に思わず手に汗握る軍記物でもある。訳者による解題と資料を付す。 尾崎明夫(おざき あきお) 1955年神戸市生まれ。1985年京都大学文学部博士課程単位取得後退学(西洋史)。スペイン・ナバラ大学で博士号取得。京都大学・立命館大学非常勤講師(スペイン語、スペイン史)をつとめる。現在、長崎精道学園三川台高校指導司祭兼社会科教師。専門は、スペイン中世史。 主要論文:「レコンキスタとイベリア半島」(江川温・服部良久編著『西欧中世史』中、ミネルヴァ書房、1995年、253—281頁)。「マリア・デ・モリナ」(高橋博幸・加藤隆浩編『スペインの女性群像:その生の軌跡』イ