日本の近代を支えた黒いダイヤ=石炭。その生産現場である炭鉱地域は、余所者が三々五々集まってできた、物資も人心も豊かな人工コミュニティであった。北海道の空知・幌内炭鉱で労務の息子として育った著者が、その半生と炭鉱遺産を活用した地域NPO活動を通して綴る、炭鉱の本当の姿とその未来。産業としての衰退、悲惨な事故の事実や記憶など「暗い」イメージの源にも触れながら、「明るい」世界を描く異色ノンフィクション。 ◆明るい炭鉱 目次(未定稿) はじめに 第1章 「明るい炭鉱」を知るための基礎知識 炭鉱とはそもそも何か 総合産業としての炭鉱 地上の世界と地下の世界 炭鉱を開くための準備作業 金属鉱山と炭鉱の違い 明治政府の北海道開拓使設置 フロンティアの消滅とお雇い外国人の来日 まずは地中に向けて坑道を掘る 水平坑 斜坑 立坑 入気と排気 掘進|坑道を掘る ようやく石炭を掘る 前近代的