明治時代から作られている菓子パンの人気が急上昇している。名前は「シベリア」。6日に引退表明する映画監督、宮崎駿(はやお)さん(72)の最後の監督作品として公開中のアニメ映画「風立ちぬ」に登場することから、今も作り続けている店の一つ、横浜の老舗パン屋には、遠方からも注文が相次いでいる。 (新開浩) 「風立ちぬ」は大正末期から昭和初期の名古屋市などが舞台で、旧日本軍の戦闘機、零戦(ぜろせん)を設計した堀越二郎(ほりこしじろう)(一九〇三~八二年)が主人公。劇中では、二郎が帰宅途中、パン屋でシベリアを買い求め、同僚と一緒に食べる場面がある。 それを販売している店の一つが、一九一六(大正五)年の創業以来、JR桜木町駅近くに店を構える「コテイベーカリー」(横浜市中区)。ようかんをカステラで挟み、三角形にカットした菓子パンで、一個三百三十円。