ホンダ「N―ONE」。最も燃費のいいグレードでガソリン1リットルあたり27・0キロ(JC08モード)の低燃費を実現したホンダ「N−ONE」のデザインの元となった「N360」。ホンダの元祖ヒット車だった 【豊岡亮】ざっと半世紀前、「Nコロ」の愛称で親しまれた車があった。軽自動車の世界に馬力競争を持ち込み、元気なHONDAのシンボルだった。そのスピリットを受け継いだ車が今、売れに売れている。その名は、「N―ONE(エヌワン)」という。 ぐりぐり眼(まなこ)のヘッドライト、丸みのあるボディー。まるでタヌキかパンダだ。そんなN―ONEが、昨年11月の発売以来、生産が追いつかないほどの人気だ。 「のりもの〈norimono〉」の頭文字をとった「N」は、ホンダにとって特別な意味を持つ。ホンダが自動車メーカーの地位を築くきっかけとなった車の頭文字だったからだ。 ■ 「世界をめざす日本の国