漁獲量が激減している国産アサリの復活へ向け、農機大手のヤンマーが、餌となる栄養豊かな植物プランクトンを大量生産し、良質なアサリを完全養殖するシステムの開発に成功した。 従来の砂浜や干潟にまくだけの方法と違い、稚貝を入れた容器を海中につり下げて育てる。砂底で汚染物質を吸い込むことなく、安心安全で身の詰まった親貝に育つ仕組み。2015年に現在の国産アサリの漁獲量の4分の1に当たる年間9000トンの生産を目指す。 ヤンマーはこの養殖システムで11年後半にも始まる環境配慮型養殖の国際認証「ASC認証」の世界初の取得を目指す。 新システムの柱は、植物プランクトンを大量生産する培養槽だ。二酸化炭素や光量をコンピューターで制御し、貝の成長に必要な脂肪酸を多く含む餌に育てる。これを食べた稚貝は元気に育ち、卵から親貝になるまで通常2年かかるのが1年で済むといい、漁獲量が増やせる。人工孵化(ふか)で育てた親貝