コロナ禍の中、日本で唯一の人権問題の総合博物館として国内外の来館者を集めてきた大阪人権博物館(リバティおおさか)=大阪市浪速区浪速西=が、ひっそりと人権の故地での35年の歴史の幕を閉じようとしている。同館は存続を懸けた大阪市との裁判闘争の末、2022年に別の場所での再開を目指して6月1日から休館する。5月末には、しばしのお別れの無料一般公開などをする予定だったが、実施は困難な状況だ。 同館は大阪府と大阪市が全面的に支援し、1985年に大阪人権歴史資料館として出発し、95年に大阪人権博物館と改称してリニューアルオープンした。部落問題のほか、障害者や性差別、在日コリアン、アイヌ問題など多岐にわたる人権問題の展示・研究に取り組み、総入場者は約170万人に及ぶ。