加藤和彦という人は果たして、知性の人なのか、感性の人なのか? 今井裕が語る音楽家・加藤和彦 「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」、「音響ハウス Melody-Go-Round」などのドキュメンタリー作品を手掛けた相原裕美監督の作品、「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」をいち早く見せてもらった。以前から高橋幸宏の提案で、加藤和彦のドキュメンタリーを作っているらしい、ということは聞いていたが、60年代から加藤和彦の音楽作品の数々を聞いてきた人間にとって、あの多才な加藤和彦を映画にまとめるのは至難の業となるだろう、と危惧していた。しかし、完成した作品は、高橋幸宏を筆頭に、北山修、松山猛から、小原礼、高中正義、つのだ☆ひろなどのバンドメンバー、坂本龍一、清水信之などのミュージシャン、クリス・トーマスや元マネージャー、レコード会社スタッフなど、各時代の関係者や友人たちの証言をもとに、