政府の所得関連の統計に今年に入って高めの数値が出ている問題で、内閣府が作成する統計「雇用者報酬」も過大に推計されている可能性が高いことが12日、西日本新聞の取材で分かった。高めの数値を示している厚生労働省の統計を基に算出しているため、上振れしているとみられる。内閣府は、厚労省の統計数値が過大になっている可能性を認識しながら推計を続けていたとみられ「今後の対応を検討中」としている。 雇用者報酬は賃金の動きを示す重要統計の一つで、四半期ごとに国内総生産(GDP)と同時に公表される。今年に入っての前年同期比増加率(名目ベース)は1~3月期が3・1%と、1997年4~6月期以来の高水準を記録。4~6月期は4・1%と、現行の統計が始まった94年1~3月期以降で最大の伸び率となった。いずれも2017年平均の1・9%を大きく上回り、賃上げでデフレ脱却を目指す安倍政権にとって歓迎すべき結果となっている。