「レポート」という文章のジャンルがある。学校勤めをしていると、この書き方がわからん、辛い、さらには嫌で嫌でたまらない、といった苦情を持ち込まれることがある。レポートが苦手なばかりに、教科書も教員も学校も嫌いになるということすらあるだろう。桜花の咲き誇るころ胸膨らませて入学したのに、青葉の瑞々しさ滴るころにはもうレポートのせいで学校嫌いになるというのは、陽気ますます盛んになる季節とは裏腹の、実に残念な事態である。レポートへの苦手意識は、世の中で決して珍しいことではないのだろう。実際、論文やレポートを書くための参考書や手引きは数多く出ている。それだけ需要があるのだろう。 レポート指南の書物は、読めばそれぞれに良書である。学識ある著者たちが長年の経験を踏まえて懇切に明快にレポートの書き方を説いている。さまざまな教育現場でもきっとそれぞれに導入的な科目を用意して、レポートの書き方を教えているのだろ
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