2019年2月2日のブックマーク (1件)

  • 暮らしの一部が重なる - 傘はある

    思えば、わたしたちは最初からスピード感に長けていた。 遠いところに住む、会ったことのない男性とひょんなことから連絡を取り始め、1ヶ月間文章と声だけの交流をした。 そして、知らない土地で「はじめまして」「ほんとうにはじめましてだね」「なんか変な感じ」「あはは」という会話から2時間でわたしたちの交際は始まった。 遠距離恋愛初心者だったが、不思議と不安はなかった。 会いたくて会いたくて震える夜はたしかにあったし、その震えを止めるために奥歯をいしばり粉々に砕けそうになったこともあった。 でも、(この先どうなるかわからないのに付き合ってる意味はあるんだろうか)とか(ほんとうは近場に命の彼女がいるんじゃないか)とは一度も思わなかった。 遠く離れたところで勝手に暮らしながら、それぞれやるべきことをやり、それぞれやりたいことをやり、それぞれやりたくないことを文句を言いながらやった。 同じ時間のはずなの

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