春が終わり、少し汗がにじむ様な暑さにうだる初夏がやってきました。それはさながら夏という長編映画に向けたプロローグ、あるいは予告編の様な。僕たちの生活を彩る夏(或いは初夏、或いは夏の終わり)という色彩は時折青になったり、オレンジになったりと様々な顔を僕たちに向ける。悲しさや哀愁、憂が一番似合わなさそうなのに、一番似合ってしまう変な季節。滲むのは汗だけじゃなく涙も。 春は出会いと別れの季節、なら夏はなんだろう?きっと忘却の季節だ。春が僕たちにくれた別れと切なさをさんさんとした太陽と陽気な外気がきっと忘れさせてくれるはずさ。そうだ海へ行こうよ今夜。辛かった事も悲しかった事も全て海に投げ捨ててしまおう。きっと許してくれるさ。引いては寄せていくただそれだけを繰り返す波をずっと見ていようよ。飽きたら砂浜で貝殻を集めて、ネックレスを作ろう。貝殻に耳を当てたら波の音が聴こえるんだって?でも海が目の前にある