会員制交流サイト(SNS)上の誹謗(ひぼう)中傷によって、被害者が受けるダメージは深刻だ。加害者を突き止め、民事訴訟や刑事手続きを通じ、相手の非が認められたとしても、心の傷は癒えない。ネット上には中傷の書き込みが残り、すべて消すのは容易ではない。ある被害者の女性が、相次ぐ中傷で次第に精神的に追い込まれていくつらい日々を語った。【五味香織/統合デジタル取材センター】 死ぬことを考え続けた 「このまま電車に飛び込んだら、楽になれるんじゃないか」 東京都在住の柏木ヘベッカ祐美さん(33)は、通勤途中の駅で電車を待っている時、そんな衝動に駆られた。2年以上にわたって、インターネット掲示板に書き込まれた匿名の中傷に苦しむ中で、死ぬことを考え続けた時期もあった。 中傷のきっかけは、民放キー局のバラエティー番組への出演だった。公募で集まった女性たちが、へき地などに住む男性たちとお見合いする企画。「結婚に