はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 初めてのデート もう30年ほど前の話です。 Jリーグが創設される数年前、三菱金属工業蹴球団(後の鹿島アントラーズ)に入団したジーコが京都の西京極陸上競技場に試合のため来たことがありました。 地方局が「ジーコが京都にやってくる」というテレビCMを繰り返し放映するので、当時、中学生でサッカー小僧だったワタシでさえ、その情報を掴むには簡単でした。 「サッカーを、ジーコをこの目で見てみたい」と言う願望とは裏腹に、チケット代やスタジアムまでの交通費、親の許可など越えるべきハードルが多かったので、願望のまま静かに忘れることにしていました。 ところがある日、当時付き合っていた同級生の女の子から連絡があり、「ジーコ見に行こう!」と誘われました。 サッカー好きの彼女。でも多分、ワタシと二人で行くためにチケットを入手してくれたんだろうと今となっては思いま