最近政府や自治体などでさかんに「出口戦略」という言葉を耳にする。しかし、やたらに数値目標のようなものが語られるが、それがなぜ「出口」なのかがよくわからない。今回は新型コロナの「出口」について掘り下げてみたい。 ■ もともとの「出口戦略」の発想 「戦略」というからには何かの「目的」に対しての最適な手段や方針の組み合わせでなくてはならない。感染症対策で「目的」たり得るのは、通常は「ワクチンができるまでの間、経済被害と死亡者数を最小限に抑えること」ということであろう。 ● 集団免疫ブロッカー 当初イギリスで主張されており、スウェーデンやブラジルでは今でも主張されているのが「集団免疫」をブロッカーとする考え方である。全人口の7割程度の人が感染して免疫を獲得すれば、ウイルスは新たな感染先を見つけられなくなり自然に消滅するというものである。この考え方を突き詰めれば、人々は感染しながら普通に経済活動を続