「匿名の悪意」の被害はもう止められないのか? ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け弱気を挫くメディアの病巣、日本の歪な現実の病巣を、いまもっとも硬派な論客、青木理氏(ジャーナリスト)と安田浩一氏(ノンフィクションライター)が語り尽くした+α新書『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』から、短期集中連載! 大きな分岐点は日朝首脳会談 青木 日本における「嫌韓」と韓国における「反日」はしばしばステレオタイプに同列視されるけど、日本のほうが状況はかなり悪化しているのかもしれないと思ったりします。 僕は韓国に合計で5年以上も滞在して、その大半を日本メディアに所属する日本人特派員として取材していたけれど、記者としても生活者としても、日本人であることを理由に不快な思いをしたことはありません。一度だけ深夜の居酒屋で特派員仲間と呑んでいたとき、酔っぱらった中年男性が「日本語